
「SBIホールディングスの株価の今後は?」
「SBIホールディングスの株価急落の理由が知りたい。」
「SBIホールディングスの配当はどうなのか?」
など、この記事をお読みの方であれば、さまざまなお考えがあるのではないでしょうか?
2025年10月10日、SBIホールディングスの株価が突如として10.53%も暴落しました。

前日の10月9日には年初来高値を更新したばかりだったにもかかわらず、です。

業績は好調、預かり資産残高は50兆円を突破し、まさに上り調子だったSBIホールディングスに一体何が起きたのでしょうか。

そこで今回は、2022年からSBIホールディングス株に投資を続けている私の実体験と分析をもとに、
Youtube登録者数28.4万人以上(2025年11月現在)の私、Trade Labo 児玉一希が詳しく解説していきます。


【Trade Labo 動画本編【10%暴落】この金融株を買いに行きます
Youtubeで開いてご覧になる方はこちら
今回の暴落の真相、そしてSBIホールディングスの株価・配当・株主優待について徹底的に解説していきます。

私自身、今回の暴落を受けて、むしろ買い増しのチャンスだと考えています。
その理由と具体的な投資戦略についても詳しくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事では、今回の暴落の真相や、10月8日に発表された統合報告書の内容、財務レバレッジの増加、プライベートエクイティのリスク、機関投資家の動向、そして政治リスクなど、考えられる要因を一つひとつ検証。
累進配当を続けるSBIホールディングスの配当政策や、私自身の投資戦略を包み隠さずご紹介し、
最後に、SBIホールディングスの今後の見通しについて考察します。
投資市場の拡大、ビットコインETFの期待、そして成長余地がどれほどあるのかを分析していきます。

1. 【衝撃】SBIホールディングス株価が10%暴落!何が起きたのか?


1.1 2025年10月10日、SBIホールディングス株価が突如10.53%の急落
2025年10月10日金曜日、私が撮影をしていたその日、SBIホールディングスの株価は寄り付きから大陰線をつけました。

下落率は実に10.53%。これは、直近の株価上昇約1,000円分を一気に打ち消してしまうほどの衝撃的な下げでした。

この日の株価の動きを見ると、非常に不穏な空気が漂っていました。

前日まで順調に上昇していた株価が、何の前触れもなく急落したように見えたからです。

1.2 高値7,724円から一気に下落した衝撃
SBIホールディングスの株価は、2025年10月9日に年初来高値となる7,724円を記録していました。

高市政権の誕生によって日本株全体が盛り上がりを見せており、SBIホールディングスもその波に乗って連日高値を更新していたのです。
しかし、翌10日にはその高揚感が一気に冷め、株価は急落。
この大陰線を見た投資家の多くが、「一体何が起きたのか」と不安を感じたことでしょう。

1.3 業績好調なSBIホールディングスがなぜ暴落?市場の疑問
さらに不可解だったのは、SBIホールディングスの業績は絶好調だったという点です。

第1四半期(2025年4月〜6月)の決算では、売上・利益ともに過去最高を記録していました。

7月〜9月も株高が続いていましたから、さらに業績が伸びることが期待されていた状況でした。
ファンダメンタルズに問題がないのに、なぜこれほどまでに株価が下落したのか。
市場には大きな疑問が広がりました。
ここからは前提としての、SBIホールディングスという企業について、まずは基本情報を、少しおさらい確認していきます。

2. SBIホールディングスとは?国内No.1金融グループの全貌

2.1 SBIホールディングス:国内最大手のネット証券を擁する総合金融サービス
SBIホールディングスは、SBI証券を中核とする総合金融サービスグループです。

おそらく、この記事を読んでいる皆さんの中にも、SBI証券で口座を開設している方が多いのではないでしょうか。
SBIグループは、証券業務だけでなく、銀行、保険、半導体、そして暗号資産事業まで幅広く展開しています。

つまり、金融サービス全般を提供する、まさに総合金融グループなのです。
特にネット証券事業においては、日本国内で圧倒的なシェアを誇っており、個人投資家にとって最も身近な存在と言えるでしょう。

2.2 SBIホールディングスの証券口座数国内トップの実績

SBIホールディングスが運営するSBI証券は、国内の証券口座数でトップに立っています。

2023年3月に1,000万口座を突破してから、わずか6ヶ月で1,100万口座を達成するなど、口座数は右肩上がりで増加し続けています。
この口座数の増加は、「ゼロ革命」と呼ばれる売買手数料無料化の実現や、商品ラインナップの充実、そして何より新NISA制度の開始によって、投資を始める人が増えたことが大きな要因となっています。

2.3 SBIホールディングスのNISA口座シェア4〜5割を占める圧倒的存在感

さらに注目すべきは、NISA口座におけるシェアが4〜5割に達しているという点です。
新NISA制度が始まってから、投資初心者を中心に多くの人がSBI証券でNISA口座を開設しました。
これは、SBIホールディングスが今後も長期にわたって安定した収益を上げられる基盤があることを示しています。
NISA口座を通じた投資信託の信託報酬、株式売買による手数料、信用取引の金利など、様々な収益源が確保されているのです。

2.4 SBIホールディングスの預かり資産残高50兆円突破の快進撃

SBIホールディングスの預かり資産残高は、2025年には50兆円を突破しました。
これは、顧客からの信頼が厚く、多くの資産を預けてもらえているということを意味しています。
預かり資産が増えれば増えるほど、SBIホールディングスの収益機会も拡大します。
投資信託の残高が増えれば信託報酬が増え、株式や債券の保有残高が増えれば貸株料なども増加するからです。

まさに上り調子の企業であり、この成長トレンドは今後も続くと私は考えています。

2.5 SBIホールディングスの主要事業セグメント(証券・銀行・保険・半導体・暗号資産)
SBIホールディングスの事業は、証券だけにとどまりません。主要な事業セグメントを見てみましょう。
まず、証券事業です。これはSBI証券を中核とした事業で、SBIグループの収益の柱となっています。
株式売買、投資信託、債券、FXなど、あらゆる金融商品を取り扱っています。
次に、銀行事業です。住信SBIネット銀行やSBI新生銀行を通じて、預金業務、ローン業務、決済サービスなどを提供しています。特に住信SBIネット銀行は、ネット銀行として高い評価を得ています。
保険事業も重要なセグメントです。
SBI生命保険やSBI損害保険を通じて、生命保険・損害保険商品を提供しており、近年は地方銀行との提携を進めるなど、成長を続けています。
さらに、半導体事業にも進出に力を入れている点もSBIホールディングスの特徴。
これは比較的新しい事業領域ですが、今後の成長が期待される分野です。
そして、投資業界には影響力の大きいとされる、暗号資産事業も展開しています。

SBI VCトレードを通じて、ビットコインやXRPなどの暗号資産取引サービスを提供しており、株主優待でもXRPが選択できるなど、この分野にも力を入れています。
このように、SBIホールディングスは多角的な事業展開をしており、一つの事業に依存しない強固なビジネスモデルを構築していると言えます。

3. SBIホールディングスの株価推移と現在地【2025年版】

3.1 SBIホールディングス株価:2025年10月9日に年初来高値を更新
2025年のSBIホールディングスの株価は、非常に好調に推移していました。

特に、高市政権の誕生が期待されるようになってからは、連日のように株価が上昇し、10月9日には年初来高値となる7,724円を記録しました。

この日までは、まさに絶好調と言える状況でした。投資家心理も強気一色で、「まだまだ上がる」という雰囲気が市場に漂っていたのです。

3.2 SBIホールディングスの現在の株価と主要指標(PER・PBR・配当利回り)
それでは、SBIホールディングスの株価と主要指標を確認していきましょう。
株価については、2025年10月の暴落後も6,000円台を維持しています。
暴落前の高値からは下落しましたが、それでも年初来で見れば十分にプラスの水準です。

PBR(株価純資産倍率)について見てみると、2025年3月末時点で0.95倍でした。
その後、株価が約2倍になったとしても、PBRは2倍に届かない程度です。従来の日本の金融株の中では高い方かもしれませんが、足元の業績成長を考えると、決して割高な水準ではありません。
配当利回りについては、現在の株価水準で計算すると、約2.5〜3%程度となっています。

ただし、SBIホールディングスは累進配当を続けており、今後も増配が期待されますので、今買えば将来的にはもっと高い配当利回りを享受できる可能性があります。この点については、後ほど詳しく解説します。

3.3 SBIホールディングス株価の過去5年間チャート分析

SBIホールディングスの株価を過去5年間で振り返ってみると、非常にボラティリティ(変動幅)が大きいことが分かります。
2020年のコロナショック時には大きく下落しましたが、その後は回復。2021年から2022年にかけては横ばいで推移し、2023年以降は上昇トレンドに入りました。

そして2024年から2025年にかけては、新NISA制度の開始や投資ブームの到来によって、株価は大きく上昇しました。
ただし、この上昇過程でも、何度も調整局面がありました。20%、30%の下落は珍しくなく、SBIホールディングスの株価は「上がる時は大きく上がり、下がる時も大きく下がる」という特徴があります。

3.4 SBIホールディングス株価の暴落履歴:2018年〜2020年で3,600円→1,200円

SBIホールディングスの株価の変動の大きさを示す事例として、2018年から2020年にかけての暴落があります。
2018年には3,600円台をつけていたSBIホールディングスの株価は、2020年には1,200円台まで下落しました。つまり、株価は約3分の1になってしまったのです。
この時期は、米中貿易摩擦やコロナショックなど、市場全体が大きく動揺した時期でした。
SBIホールディングスのような金融株は、市場環境の影響を強く受けるため、このような大幅な下落が起きたのです。

しかし、その後株価は回復し、現在では当時の高値を大きく超える水準まで上昇しています。つまり、長期で見れば、一時的な暴落を乗り越えて成長してきたということです。

3.5 SBIホールディングス株価が激しく動く理由:ボラティリティの高さ
なぜSBIホールディングスの株価は、これほどまでに激しく動くのでしょうか。
まず第一に、金融株であるという特性があります。金融株は、株式市場の動向や経済環境に敏感に反応します。市場が好調な時は業績が伸び、不調な時は業績が悪化しやすいのです。
第二に、機関投資家の保有比率が高いという点が挙げられます。

後ほど詳しく説明しますが、SBIホールディングスの株主構成を見ると、機関投資家が58.1%を占めています。
機関投資家は大口で売買を行うため、彼らの動向が株価に大きな影響を与えます。
第三に、プライベートエクイティなどのハイリスク投資を行っているという点もあります。

これらの投資は、うまくいけば大きな利益を生みますが、失敗すれば大きな損失につながります。
そのため、市場環境が変化すると、株価が大きく動くのです。
近年のデータを見ると、SBIホールディングスの株価は、最高値から最安値まで約30%ほど下落する傾向があり、しかもそれが短期間で起きることが多いです。
今回の10%の暴落も、この傾向の範囲内と言えますが、それでも投資家としては心穏やかではいられない動きですよね。
ここから、今回のSBIホールディングス暴落の真相について、詳しく分析していきます。

4. 【徹底分析】SBIホールディングス株価はなぜ暴落?2025年10月の10%急落の真相


4.1 SBIホールディングスのファンダメンタルズは絶好調なのに…
まず、今回の暴落を分析する前に、SBIホールディングスのファンダメンタルズ(企業の基礎的条件)を確認しておきましょう。
結論から言うと、業績は絶好調でした。
SBIホールディングス第1四半期(2025年4〜6月)は売上・利益ともに過去最高

2025年4月から6月にかけての第1四半期決算を見ると、売上高も利益も過去最高を記録していました。
証券口座数が増え続けていること、NISA口座からの収益が伸びていること、そして株式市場が好調だったことなどが、業績を押し上げました。

株高が続いた7〜9月でSBIホールディングスはさらなる成長期待
第1四半期のデータは4月から6月のものですから、その後の7月から9月についても期待が高まっていました。この期間も株価は上昇し続けていましたから、第2四半期の決算ではさらに良い数字が出ることが予想されていたのです。
ビットコインも上昇基調でSBIホールディングスに追い風

SBIホールディングスは暗号資産事業も展開していますが、ビットコインの価格も上昇基調にありました。ビットコインETFが日本でも近いうちに承認されるのではないかという期待もあり、この分野でも成長が見込まれていました。
SBIホールディングスのPBR2倍未満で割高感なし

株価が上がりまくって割高になっているかと言うと、そうでもありませんでした。2025年3月末時点でPBRは0.95倍でしたから、そこから株価が約2倍になったとしても、PBRは2倍に届かない程度です。
従来の日本の金融株の水準と比較すれば高い方かもしれませんが、足元の業績成長を考えると、決して割高な水準ではありません。
このように、ファンダメンタルズ面では何の問題もなかったのです。それなのに、なぜ10%も暴落したのか。次から、考えられる要因を一つずつ見ていきましょう。

4.2 SBIホールディングス株価暴落の要因①:10月8日発表の統合報告書が引き金
今回の暴落のきっかけとして、10月8日に発表された統合報告書の存在が挙げられます。統合報告書とは、企業が経営方針やグループ全体の財務数値を株主向けにまとめた資料のことです。

SBIホールディングスの自己資本が増えず、総資産が5兆円以上爆増

この統合報告書の中で、ある数値が市場の注目を集めました。それは、業績は伸びているのに、自己資本があまり増えておらず、むしろ若干減少しているという点です。
一方で、総資産は5兆円以上も増加していました。これは何を意味するかというと、他人資本(借入金や預金など)の割合が増えているということです。
SBIホールディングスのレバレッジが高まったハイリスクな財務状況

自己資本が増えずに総資産が増えるということは、レバレッジ(借入を活用した投資)をかけているということです。レバレッジをかけると、うまくいけば利益は大きくなりますが、失敗すれば損失も大きくなります。
もちろん、金融機関である以上、預金などで他人資本が多くなることは自然なことです。

しかし、数値上は「財務状況が悪化している」と見ることもできるため、一部の投資家が警戒感を強めた可能性があります。
SBIホールディングスの他人資本の割合増加による数値上の悪化

実際のところ、銀行業務などを行っている企業では、預金という形で他人資本が増えるのは当然のことです。
ですから、この数値だけを見て「危険だ」と判断するのは早計かもしれません。
ただ、市場というのは時に過剰に反応するものです。この統合報告書の内容が、一部の投資家に売りの判断をさせた可能性は十分にあります。

4.3 SBIホールディングス株価暴落の要因②:プライベートエクイティのリスク増大
統合報告書のもう一つの注目点が、プライベートエクイティ(未上場企業への投資)についてでした。
SBIホールディングスの未上場投資残高が過去最高に

SBIホールディングスは、将来性のある未上場企業に投資を行っています。
これをプライベートエクイティ投資と言います。統合報告書によると、このプライベートエクイティの残高が過去最高になっていました。
プライベートエクイティ投資は、ハイリスク・ハイリターンの投資です。投資先企業が上場したり、高値で売却できたりすれば、大きな利益を得られます。
しかし、投資先企業の業績が悪化したり、売却のタイミングを逃したりすれば、損失を抱えることになります。
SBIホールディングスのエグジット減少、投資効率悪化

さらに問題だったのは、エグジット(投資の回収)が減少しており、投資効率が悪化しているという点でした。つまり、どんどん投資をしているものの、それを現金化できていないということです。
これは、市場環境が悪化した時には、一気に含み損が拡大するリスクを意味しています。

経済環境悪化時のSBIホールディングスの損失リスク
もし今後、経済環境が悪化し、株式市場が大きく下落するようなことがあれば、SBIホールディングスが保有するプライベートエクイティの評価額も下がります。そうなれば、業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
過去にも、SBIホールディングスはベトナムのTPバンクへの投資で大きな評価損を計上したことがありました。
2022年の4〜12月期には、TPバンクの株価下落によって354億円もの評価損を計上し、純利益が前年同期比98%減という厳しい結果になりました。
このような前例があるため、プライベートエクイティのリスクに対して、市場は敏感に反応したのかもしれません。

4.4 SBIホールディングス株価暴落の要因③:機関投資家による売り圧力
次に注目すべき要因は、機関投資家の動向です。
SBIホールディングスの株主構成58.1%を国内外機関投資家が占有

SBIホールディングスの株主構成を見ると、国内外の機関投資家が58.1%を占めています。
機関投資家とは、年金基金や投資信託、ヘッジファンドなど、大口で株式を売買する投資家のことです。
機関投資家の保有比率が高いということは、彼らの売買が株価に大きな影響を与えるということです。
大口投資家の一斉売却がSBIホールディングス株価に影響

今回の暴落では、勢いがある内に利益確定の売りを出した機関投資家がいた可能性があります。
株価が高値圏にある時に売却することで、確実に利益を確保しようとしたのかもしれません。
機関投資家は、個人投資家のように「長期保有」を前提としているわけではありません。彼らには運用成績のノルマがありますから、良いタイミングで売却することも重要な戦略なのです。
2日連続大陽線後のSBIホールディングス急落は異常な需給

今回の暴落の特徴として、2日連続で大きく上昇した直後に、急落したという点があります。
しかも、前日の始値を割ってしまうくらい大きく売られました。
このような値動きは、普通の売買状況ではなかなか発生しません。大口の売り注文が一気に入ったと考えるのが自然です。

つまり、今回の暴落は、需給の偏りによるものである可能性が高いと私は考えています。


4.5 SBIホールディングス株価暴落の要因④:成長鈍化の先読み売り?
もう一つ考えられる要因は、「成長鈍化の先読み売り」です。

SBIホールディングスの投資熱の高まりが顕在化=出尽くし感
2024年から2025年にかけて、日本では投資ブームが到来しました。新NISA制度の開始によって、多くの人が投資を始めたのです。その恩恵を最も受けたのが、SBIホールディングスでした。
しかし、投資熱が高まり、それが株価に反映された今、「もう出尽くしたのではないか」という見方も出てきます。
まだ伸びているがSBIホールディングスの成長スピード鈍化を懸念

株を売るタイミングの一つのコツとして、「業績が悪くなってから売るのではなく、まだ伸びてはいるものの、成長スピードが緩くなってきたタイミングで先に売る」という考え方があります。

SBIホールディングスの業績はまだ伸びています。しかし、証券口座数の増加ペースが鈍化したり、NISA口座の開設が一巡したりすれば、成長スピードは落ちるでしょう。
そう考えた投資家が、先んじて売りに出た可能性があります。
SBIホールディングス株の利益確定の好機と判断した可能性
株価が高値圏にある時は、利益確定の売りが出やすくなります。特に、機関投資家にとっては、「今が売り時だ」と判断する材料が揃っていたのかもしれません。
統合報告書の内容、プライベートエクイティのリスク、そして成長鈍化の懸念。これらが重なって、売りの判断をした投資家が多かったのでしょう。

4.6 SBIホールディングス株価暴落の要因⑤:当時の政治リスク懸念(その後解消)
もう一つ、考えられる要因があります。それは、政治リスクです。
10月10日時点で自民・公明連立解消の報道がSBIホールディングスに影響

2025年10月10日、つまりSBIホールディングスが暴落したその日に、自民党と公明党の連立解消というニュースが流れました。このニュースを事前に知っていた投資家が、先に売ったという可能性も考えられます。
政治の不安定化は、株式市場全体にとってマイナス材料です。特に、金融株は政策の影響を受けやすいため、政治リスクを嫌気した売りが出たのかもしれません。
市場に一時的な不透明感
連立解消の報道によって、市場には一時的に不透明感が広がりました。「今後の政権運営はどうなるのか」「政策は変わるのか」といった不安が、投資家心理を冷やしたのです。
その後の経過:自民党が日本維新の会と連立を組み、2025年10月21日に高市内閣が発足し、SBIホールディングスへの政治リスクは解消
しかし、結果として、この政治リスクはすぐに解消されました。自民党は日本維新の会と連立を組み、2025年10月21日には高市内閣が正式に発足したのです。
つまり、政治の不安定化は一時的なものに終わり、むしろ新しい政権がスタートしたことで、市場には安心感が戻りました。
ただし日経平均は1%下落のみ=SBIホールディングスだけが10%下落

ここで注目すべきは、10月10日の日経平均株価は1%の下落で済んでいたという点です。市場全体はそれほど大きく下がっていないのに、SBIホールディングスだけが10%も下落したのです。

これは、政治リスクだけが原因ではなく、他の要因も複合的に重なった結果だと考えられます。

4.7 SBIホールディングス株価暴落の結論:需給の偏りによる一時的な急落か
ここまで、考えられる要因を一つずつ見てきました。それでは、結論として、今回の暴落をどう捉えるべきでしょうか。
SBIホールディングスの出来高はそこまで多くない

まず注目すべきは、出来高がそこまで多くなかったという点です。もし、本当に悲観的な材料が出て、多くの投資家がパニック売りをしていたなら、出来高は急増するはずです。

しかし、今回はそこまで出来高が増えていませんでした。これは、一部の大口投資家が売りを出したことで、株価が大きく下がったということを示唆しています。
SBIホールディングス株価は窓開けギャップダウンではない

また、株価は窓を開けて下落したわけではありません。窓開けギャップダウンとは、前日の終値よりもはるかに低い価格で寄り付くことを指します。このような動きは、非常に悪いニュースが出た時に起きます。
今回は窓を開けていませんから、致命的な悪材料が出たわけではないと考えられます。
SBIホールディングスの業績悪化ではないが要因不明で要警戒

そして最も重要なのは、業績が悪化したわけではないという点です。ファンダメンタルズに問題がないのに、株価だけが大きく下がったということは、これは需給の偏りによる一時的な調整である可能性が高いと私は考えています。
ただし、はっきりとした要因が分からないという点は、少し気をつけた方が良いかもしれません。もしかしたら、私たちが知らない材料があって、一部の投資家だけがそれを知っていたという可能性もゼロではありません。

いずれにせよ、今回の暴落は、ものすごく悲観するような下がり方ではないと私は見ています。むしろ、長期投資家にとっては、買い増しのチャンスになる可能性があると考えています。
ただし、週末以降も下落が続くシナリオも想定しておくべきです。次の章では、「SBIホールディングスはやばい」という噂の真相について、さらに詳しく検証していきます。

5. 「SBIホールディングスはやばい」の真相を検証

5.1 なぜSBIホールディングスは「やばい」と言われるのか?
インターネット上で「SBIホールディングス やばい」というキーワードで検索すると、様々な情報が出てきます。では、実際のところ、SBIホールディングスは本当に「やばい」のでしょうか。
まず、「やばい」という言葉には、二つの意味があります。一つは「危険だ、リスクが高い」という否定的な意味。もう一つは「すごい、期待できる」という肯定的な意味です。
SBIホールディングスの場合、両方の意味で「やばい」と言われることがあります。業績が好調で成長性が高いという意味で「やばい」と言われることもあれば、財務リスクやボラティリティの高さから「やばい」と言われることもあるようです。
ここでは、否定的な意味での「やばい」について、客観的に検証していきましょう。

5.2 SBIホールディングスの財務レバレッジ増加の実態と影響

前章でも触れましたが、SBIホールディングスは財務レバレッジが高まっているという指摘があります。
統合報告書によると、業績は伸びているのに自己資本があまり増えておらず、総資産は5兆円以上も増加していました。これは、借入や預金などの他人資本を活用して、事業を拡大しているということです。
レバレッジをかけること自体は、必ずしも悪いことではありません。金融機関であれば、預金を集めて、それを貸出や投資に回すのは当然のビジネスモデルです。
しかし、レバレッジが高まりすぎると、経済環境が悪化した時に、損失が拡大するリスクがあります。自己資本比率が低下すれば、財務の健全性に対する懸念も生まれます。
現時点で、SBIホールディングスの財務状況が「危険水域」に達しているわけではありません。ただ、今後さらにレバレッジが高まっていくようであれば、注意が必要かもしれません。

5.3 SBIホールディングスのハイリスク投資の比率拡大は危険信号か

もう一つの懸念材料は、プライベートエクイティ(未上場企業への投資)の残高が過去最高になっているという点です。
プライベートエクイティ投資は、ハイリスク・ハイリターンの投資です。投資先企業が成功すれば大きなリターンを得られますが、失敗すれば損失を抱えます。
しかも、統合報告書によると、エグジット(投資の回収)が減少しており、投資効率が悪化しているとのことでした。これは、投資したものの、なかなか現金化できていないということです。
もし経済環境が悪化し、未上場企業の評価額が下がれば、SBIホールディングスは大きな評価損を計上する可能性があります。
実際、過去にはベトナムのTPバンクへの投資で354億円もの評価損を計上し、2022年の4〜12月期の純利益が前年同期比98%減という厳しい結果になったこともありました。
このような前例があるため、プライベートエクイティのリスクについては、投資家として注視しておく必要があります。

5.4 SBIホールディングスの過去の暴落事例から学ぶリスク管理

SBIホールディングスの株価は、過去にも大きく下落したことがあります。2018年から2020年にかけては、3,600円台から1,200円台まで、約3分の1に下落しました。
また、近年でも、最高値から最安値まで約30%下落することがあり、しかもそれが短期間で起きる傾向にあります。
このように、SBIホールディングスの株価は非常にボラティリティが高いのです。
投資家としては、この特性を理解した上で、リスク管理をしっかり行う必要があります。具体的には、以下のようなポイントが重要です。
まず、一度に全額を投資しないことです。株価が下落した時に追加で買えるように、余力を残しておくことが大切です。私自身も、今回の暴落を受けて、さらに下落した場合に備えて、買い増しの資金を準備しています。
次に、長期保有を前提とすることです。短期的には大きく下がることがあっても、長期で見れば、SBIホールディングスは成長を続けてきました。一時的な下落に動揺して売ってしまうと、後で後悔することになりかねません。
そして、分散投資を心がけることです。いくらSBIホールディングスが魅力的な銘柄だとしても、資産の全てをSBIホールディングス株に集中させるのはリスクが高すぎます。他の銘柄や資産にも分散しておくことで、リスクを抑えることができます。

5.5 結論:SBIホールディングスは長期投資なら問題なし、短期は要注意
ここまで、SBIホールディングスの「やばい」と言われる理由について検証してきました。結論として、私はこう考えています。
長期投資家にとって、SBIホールディングスは魅力的な投資先です。
業績は好調で、配当も累進配当を続けており、市場の成長性も十分にあります。
財務レバレッジやプライベートエクイティのリスクはありますが、それは企業が成長するための投資でもあります。
ただし、短期投資家にとっては、注意が必要です。

株価のボラティリティが高いため、短期間で大きく下落するリスクがあります。また、需給の偏りによって、思わぬタイミングで暴落することもあります。
私自身は、SBIホールディングスを長期保有するつもりです。今回の暴落も、一時的な調整だと捉えており、むしろ買い増しのチャンスだと考えています。
次の章では、SBIホールディングスの配当について、詳しく見ていきましょう。

6. SBIホールディングスの配当情報【2025年最新】

6.1 SBIホールディングスの配当:累進配当を続ける代表的高配当株
SBIホールディングスは、累進配当を続けてきた代表的な高配当株です。
累進配当というのは、一度上げた配当を下げないという方針のことですね。
今は配当利回りこそ下がってしまっていますが、それは株価が上昇したからです。結果として、これまでずっと増配を続けてきた実績があるわけです。

私が今年4月の暴落時に拾えていれば、利回りは軽く5%を超えていました。

実際、私は2022年から投資していて、去年の8月や今年の4月にも買い増ししているので、平均取得単価は今の半分くらいなんですよ。だから、保有株に対する配当利回りは5%近くになっています。

やっぱり、皆が買いたくない時にいかに買えるかが重要ですね。

6.2 SBIホールディングスの2025年配当予想(増配期待大)
ちなみに、今年の配当はまだ発表されていませんが、おそらく好業績と株高で増配が期待されます。
第1四半期の決算を見ると、最終利益が前年の4倍とかになっているんですよ。これだけ利益が伸びているなら、大幅な増配もあり得ると思っています。

将来的には、配当金が200円とか250円といった水準になる可能性もあります。もし5,000円台で買って配当金が250円になれば、利回りは5%ですからね。

6.3 SBIホールディングスの配当推移と増配率
SBIホールディングスの配当は、ずっと右肩上がりで増えてきました。一度も減配していないというのは、長期投資家にとって非常に安心できるポイントです。
最近の配当実績を見ても、毎年着実に増配していることが分かります。これは、企業が株主還元を重視している証拠ですね。

6.4 SBIホールディングスの配当利回りの計算
SBIホールディングスの現在価格での配当利回り
現在の株価で計算すると、配当利回りは約2.5〜3%程度になります。高配当株としては、まあまあの水準ですね。
5,400円なら約3.3%の配当利回り(増配後)

私が今後の買い増しポイントとして考えている5,400円という価格で買えれば、今よりも10円増配したとして、配当利回りは約3.3%になります。
これでも十分魅力的ですが、さらに下がったところで買えれば、もっと高い利回りが狙えます。
将来的に200〜250円配当ならSBIホールディングスの配当利回り5%超も

足元で利益が最終で4倍とかになっているので、大幅に増配して、将来的には200円とか250円といった配当金の水準になる可能性があります。
もし5,000円台で買って配当金が250円になれば、もう利回りは5%です。これはかなり魅力的ですよね。

6.5 SBIホールディングスの配当権利確定日と配当スケジュール
SBIホールディングスの配当は、年1回、3月末を基準日として支払われます。権利確定日は3月末ですから、その日に株を保有していれば配当を受け取ることができます。
配当金は、6月の株主総会後に支払われることが一般的です。ですから、3月末に株を保有していれば、6月頃に配当金が振り込まれるというスケジュールになります。

6.6 SBIホールディングスの配当性向と配当方針
SBIホールディングスは、配当性向(利益のうちどれだけを配当に回すか)について、明確な方針を持っています。
基本的には、利益が伸びれば配当も増やすという姿勢を取っており、累進配当を続けてきた実績があります。今後も、この方針は継続されると考えられます。
配当性向が極端に高すぎると、企業の成長投資に回す資金が不足する可能性がありますが、SBIホールディングスの場合は、バランスを取りながら配当を増やしてきています。

7. SBIホールディングスの株主優待を完全解説【2025年版】

7.1 SBIホールディングスの株主優待制度の概要
SBIホールディングスは、株主優待制度も提供しています。配当に加えて優待ももらえるというのは、個人投資家にとって嬉しいポイントですね。
株主優待の内容は年によって変わることもありますが、2025年3月期の優待内容について、詳しく見ていきましょう。

7.2 SBIホールディングスの保有株数別の株主優待内容
SBIホールディングスの株主優待は、保有株数と保有期間によって内容が変わります。大きく分けると、以下のようになります。
100株以上1,000株未満を保有している株主、または1,000株以上を保有しているが保有期間が1年未満の株主については、暗号資産XRP 2,000円相当、または健康食品などから選ぶことができます。
1,000株以上を1年超保有している株主については、暗号資産XRP 8,000円相当、または健康食品などから選ぶことができます。
つまり、長期で多く保有している株主ほど、優待内容が充実しているわけです。

7.3 SBIホールディングスの暗号資産XRP株主優待の詳細
100株以上:SBIホールディングスからXRP 2,000円相当
100株以上を保有していれば、暗号資産XRPを2,000円相当受け取ることができます。これは、申込期限とする2025年7月31日時点のXRP価格で換算されます。
XRPというのは、リップル社が発行している暗号資産です。SBIホールディングスは、暗号資産事業にも力を入れているので、株主優待でもXRPを提供しているんですね。
1,000株以上(1年超保有):SBIホールディングスからXRP 8,000円相当
1,000株以上を1年超保有している株主は、XRPを8,000円相当受け取ることができます。これはかなり魅力的ですね。
1,000株というと、現在の株価で650万円前後の投資額になります。決して小さな額ではありませんが、配当と優待を合わせれば、十分なリターンが期待できます。
SBI VCトレード口座開設と受取方法
ただし、XRPの優待を受け取るには、SBI VCトレードの口座を開設する必要があります。
SBI VCトレードというのは、SBIグループが運営する暗号資産取引所です。この口座を持っていない株主は、まず口座開設の手続きを行う必要があります。
口座開設には審査があり、申込から完了までに最長10日程度かかることもあるので、早めに手続きをしておくことをおすすめします。
優待の申込期限は2025年10月31日17:00までとなっていますので、忘れずに申し込みましょう。

7.4 SBIホールディングスのその他株主優待内容(健康食品など)
XRP以外の選択肢として、健康食品を選ぶこともできます。
具体的には、SBIアラプロモ株式会社が販売する健康食品『アラプラス ゴールド EX』や、機能性表示食品『発芽玄米の底力』などが提供されます。
暗号資産に興味がない方や、すでに十分な暗号資産を持っている方は、こちらを選ぶのも良いでしょう。

7.5 SBIホールディングスの株主優待利回りの計算方法
株主優待利回りは、優待の価値を投資額で割って計算します。
例えば、100株(約65万円)を保有していて、2,000円相当のXRPを受け取れる場合、優待利回りは約0.3%になります。配当利回りと合わせると、合計で3%前後のリターンが期待できます。
1,000株保有して8,000円相当のXRPを受け取れる場合は、優待利回りは約0.12%になります。配当利回りと合わせれば、やはり3%以上のリターンが見込めます。

7.6 SBIホールディングスの株主優待を受け取る際の注意点
株主優待を受け取る際には、いくつか注意点があります。
まず、SBI VCトレードの口座開設が必須だという点です。口座を持っていない方は、優待の申込前に必ず口座開設を済ませておきましょう。
次に、申込期限を守ることです。2025年10月31日17:00までに申し込みを完了しないと、優待を受け取ることができません。
また、1口座に対して、複数枚のクーポンコード券を利用することはできません。複数の証券口座でSBIホールディングス株を保有していても、受取は1口座につき1回限りです。
そして、XRPは価格変動のある金融商品だという点も理解しておく必要があります。受け取った後、価格が上昇することもあれば、下落することもあります。取引や換金については、すべて自己判断となります。

8. SBIホールディングスの株式分割履歴と今後の可能性

8.1 SBIホールディングスの株式分割実績:2012年10月に1株→10株
SBIホールディングスは、過去に株式分割を実施したことがあります。2012年10月1日を効力発生日として、1株を10株に分割しました。
株式分割というのは、1株を複数の株に分けることで、株価を下げて投資しやすくする施策です。例えば、株価が10,000円の株を1株持っている場合、1株を10株に分割すると、株価は1,000円になり、10株保有していることになります。
投資家が保有する資産の総額は変わりませんが、1株あたりの価格が下がるので、より多くの投資家が買いやすくなるというメリットがあります。

8.2 SBIホールディングスの株式分割が投資家に与える影響
株式分割が行われると、いくつかの影響があります。
まず、株価が下がることで、投資のハードルが下がります。例えば、1株100万円の株を買うには100万円必要ですが、1株を10株に分割して株価が10万円になれば、10万円から投資できるようになります。
次に、流動性が高まる可能性があります。株価が下がって買いやすくなれば、取引量が増え、売買がしやすくなることがあります。
ただし、株式分割をしても企業の価値が変わるわけではありません。あくまで、株を細かく分けただけなので、保有している資産の総額は変わらないのです。

8.3 SBIホールディングスの今後の株式分割の可能性は?
では、SBIホールディングスは今後、再び株式分割を行う可能性があるのでしょうか。
現在の株価水準を見ると、1株が6,000円〜7,000円台で推移しています。100株単位での売買が基本ですから、最低投資額は60万円〜70万円程度になります。
この金額が高すぎて投資しにくいかと言うと、そうとも言い切れません。他の大型株と比較しても、それほど極端に高いわけではありません。
ただ、今後さらに株価が上昇し、例えば1株10,000円を超えるようになれば、最低投資額が100万円を超えることになります。そうなると、個人投資家にとっては少しハードルが高くなるかもしれません。
その場合、企業側が投資家層を広げるために、株式分割を実施する可能性はあります。ただ、現時点では、株式分割の発表はありません。

9. 【投資戦略】Trade Labo 児玉のSBIホールディングス株投資戦略

9.1 児玉のSBIホールディングス株実践投資履歴
2022年からSBIホールディングス株に長期投資を継続

私は、2022年からSBIホールディングス株に投資をしています。当時はまだ株価がそれほど高くなく、今から考えると非常に良いタイミングで買えたと思っています。
2024年8月、2025年4月にSBIホールディングス株を買い増し実施

その後、去年の8月と今年の4月にも買い増しをしました。特に今年の4月は、株価が調整していたタイミングで買い増しできたので、良い買い増しになりました。
SBIホールディングス株の平均取得単価が半値=配当利回り5%近く

今でこそ株価が急騰していますが、私は2022年から投資をしていて、安い時に買っているので、平均取得単価は今の株価の半分くらいなんですよ。だから、保有株に対する配当利回りは5%近くになっているんです。
やっぱり、皆が買いたくない時にいかに買えるかが重要ですね。
2025年8月にSBIホールディングス株を一部利益確定済み

ちなみに、私は今年の8月に入る前に、一部利益確定をしています。株価がかなり上がっていたので、リスク管理の一環として、一部を売却しました。

ですから、正直なところ、この後急落しても、私は特に気にならないと言いますか、むしろ、これから成長性があって、高配当の金融株を買い増せるチャンスだと考えています。

9.2 SBIホールディングス株の今後の買い増しシナリオ
それでは、私が今後どのような戦略で買い増しをしようと考えているのか、具体的にお話しします。
第1買い増しポイント:SBIホールディングス株価5,400円程度

まず、第1の買い増しポイントは、5,400円程度です。
データ上、SBIホールディングスの株価は、最高値から約30%下落する傾向があります。現在の最高値が7,724円ですから、ここから3割下がると、5,406円になります。
ちょうどこの辺りは、今年の7月にもあった水準なんですよ。つまり、過去に支持線として機能した価格帯でもあるわけです。
高値から30%下落の水準
近年のSBIホールディングスの株価を見ると、だいぶ底が固くなってきているものの、当時の最高値から最安値まで約30%ほど下落する傾向があります。しかも、短期で下落することが多いです。
ですから、今回も高値から30%下落した5,400円程度が、一つの目安になると考えています。
2025年7月にもあったSBIホールディングス株価帯

この5,400円という価格は、2025年7月にも記録した水準です。過去に支持線として機能した価格帯は、再び支持線になりやすいという傾向があります。
SBIホールディングス株を打診買いで様子見
ですから、この5,400円程度まで下がってきたら、まずは打診買いをしようと思っています。打診買いというのは、少量だけ買ってみて、様子を見るという戦略です。
ここで買って、株価が上がればそれで良し。もしさらに下がるようであれば、次の買い増しポイントまで待つという作戦です。
第2買い増しポイント:SBIホールディングス株価3,000円台後半〜中盤
第2の買い増しポイントは、3,000円台後半から中盤です。

最悪SBIホールディングス株価が半値になった場合
もし最悪の場合、株価が半値になってしまったとしても、3,000円台後半から中盤になります。過去のデータを見ても、このあたりが底値圏になる可能性があります。
日本株市場全体が暴落している想定

ただし、SBIホールディングスの株価が3,000円台まで下がるとしたら、それは日本株市場全体が暴落している状況だと思います。
2018年から2020年にかけての暴落時も、SBIホールディングスの株価は1,200円台まで下がりましたが、それは日経平均も大きく下がっていた時期でした。
SBIホールディングス株の本格的な買い増しチャンス
もしそのような大暴落が起きたら、私にとっては本格的な買い増しのチャンスです。
3,000円台で買って、将来的に配当金が250円になれば、利回りは7%を超えます。これはものすごく魅力的ですよね。
大事なのは、その会社が長期で価値を提供し続けて、強みがあって、市場の成長性もある。その状況で配当利回りが高い株価で買って、あとはホールドしとく。

株価はその後でなんだかんだ評価されます。

9.3 SBIホールディングス株の長期投資の基本戦略
SBIホールディングス株のボラティリティの高さ上等で投資

SBIホールディングスは、値動きが激しい銘柄です。短期で30%下落することもあれば、逆に大きく上昇することもあります。
このボラティリティの高さを理解した上で、「それでも投資する」という覚悟が必要です。ちょっとやそっとの下落では動揺しない、強いメンタルが求められます。
私自身、ボラティリティの高さは上等だと思っています。むしろ、大きく下がった時こそ、買い増しのチャンスだと捉えています。
皆が買いたくない時にSBIホールディングス株を買う

株式投資で成功するコツの一つは、「皆が買いたくない時に買う」ことです。
今回のように株価が暴落すると、多くの投資家は不安になって売りたくなります。しかし、ファンダメンタルズに問題がないのであれば、そこは買いのチャンスなんです。
私が2022年から投資していて、去年の8月や今年の4月にも買い増ししているのは、まさにこの考え方に基づいています。安い時に買ったからこそ、5%近い配当利回りで、この上昇相場の恩恵を受けられているわけです。
SBIホールディングスの配当利回り重視で保有継続

私の投資スタンスは、配当利回りを重視した長期保有です。株価が上がっても下がっても、配当金は入ってきますからね。
SBIホールディングスは累進配当を続けていますから、今後も配当が増えていくことが期待できます。長期で保有していれば、配当だけでも十分なリターンが得られると考えています。
SBIホールディングス株価の値動きに惑わされない
株価は日々上下します。特にSBIホールディングスのようにボラティリティが高い銘柄は、大きく動きます。
しかし、その値動きに一喜一憂していては、長期投資はできません。短期的な値動きは気にせず、企業の長期的な成長を信じてホールドし続けることが重要です。
このまま、ここが押し目で上がってくれれば、もちろん良いのですが、そうじゃなかったとしても嬉しいですね。また安く買えるチャンスが来るわけですから。

9.4 SBIホールディングス株の投資判断のチェックポイント
私がSBIホールディングス株を保有し続ける理由は、以下の3つのチェックポイントをクリアしているからです。
SBIホールディングスは長期で価値を提供し続けるか

まず第一に、SBIホールディングスは長期で価値を提供し続ける企業かという点です。

今、日本は賃金が伸びない中で、消費は意外と底堅いです。その要因が、給与以外に、昨年比3%増加で寄与している財産所得、つまり投資の収入がバックボーンにあると言われています。

こういった時代背景を考えても、SBIは必要とされて伸びていく会社だと思います。投資市場が拡大すれば、SBIホールディングスの事業も拡大するからです。
SBIホールディングスに強みと市場成長性があるか
第二に、SBIホールディングスに強みと市場成長性があるかという点です。

SBIホールディングスは、国内証券口座数でトップ、NISA口座でもシェア4〜5割を占めています。これは圧倒的な強みです。

しかも、18歳から64歳の生産年齢人口(現役世代)の37%しか証券口座を持っていません。つまり、現在の2倍以上のポテンシャルがあるわけです。
市場の成長性も十分にあると言えます。
SBIホールディングス株を高配当利回りで買えるか

第三に、高配当利回りで買えるかという点です。
私は、配当利回り重視の投資をしています。ですから、株価が下がって配当利回りが高くなったタイミングで買いたいと考えています。
5,400円で買えば配当利回りは3.3%程度、3,000円台で買えれば5%以上の利回りが狙えます。このような価格で買えれば、長期で保有する価値があると判断しています。
この3つが揃えばSBIホールディングス株をホールド継続

この3つのポイントがすべて揃っているからこそ、私はSBIホールディングス株をホールドし続けているのです。
もしこのうちの一つでも崩れるようなことがあれば、投資戦略を見直す必要があるかもしれません。しかし、現時点では、3つともクリアしていると判断しています。

10. SBIホールディングスの株価は今後どうなる?成長性と見通し

10.1 SBIホールディングスの今後:投資市場の拡大が追い風

SBIホールディングスの今後を考える上で、最も重要なのは投資市場の拡大です。
近年、日本では投資ブームが到来しています。新NISA制度の開始によって、投資を始める人が急増しました。この流れは、今後も続くと考えられます。
投資市場が拡大すれば、証券会社であるSBIホールディングスの事業も拡大します。口座数が増え、預かり資産が増え、取引量が増えれば、収益も増えるからです。
この追い風は、SBIホールディングスにとって非常に大きなプラス材料です。

10.2 SBIホールディングスの今後の成長余地:生産年齢人口37%が口座保有=2倍のポテンシャル

現在、18歳から64歳の生産年齢人口(現役世代)のうち、証券口座を持っているのは37%です。
つまり、まだ63%の人は証券口座を持っていないということです。これから成人する子供たちも加えると、現在の2倍以上のポテンシャルがあるわけです。
もちろん、全員が証券口座を開設するわけではありませんが、それでも成長の余地は十分にあります。SBIホールディングスがこの市場を取り込んでいけば、さらなる成長が期待できます。

10.3 SBIホールディングスの株価を支える今後の要因:財産所得3%増が消費を支える時代背景

今、日本は賃金が伸びない中で、消費は意外と底堅いと言われています。
その要因が、給与以外に、昨年比3%増加で寄与している財産所得です。
財産所得というのは、配当金や利子、投資による収入のことです。
つまり、投資で得た収入が、日本の消費を支えているということです。
このような時代背景を考えると、投資はますます重要になってきます。
そして、投資を支えるインフラであるSBIホールディングスも、ますます必要とされる存在になっていくでしょう。

10.4 SBIホールディングスの株価上昇期待:ビットコインETF参入の可能性

SBIホールディングスは、暗号資産事業にも力を入れています。特に注目されているのが、ビットコインETFへの参入です。
ビットコインは、見ての通りの上げ具合です。ETFといった形での参入が近いと言われています。
もし日本でビットコインETFが承認され、SBIホールディングスがそれを取り扱うことになれば、大きな収益源になる可能性があります。
この分野は、まだ不確定な要素も多いですが、期待材料の一つとして注目しておく価値はあります。

10.5 SBIホールディングスの今後のリスク要因:政権交代後の地銀・保険の動向
一方で、リスク要因もあります。その一つが、地方銀行や保険事業の動向です。
SBIホールディングスは、近年、地方銀行との提携や保険事業の拡大に力を入れてきました。高市政権の誕生によって、利上げ期待が高まり、これらの事業は恩恵を受けると期待されていました。
しかし、もし利上げが後退したり、政権の方針が変わったりすれば、地銀や保険事業が頭打ちになってしまう可能性があります。
もっとも、現時点では高市内閣が発足していますから、この懸念は後退していると言えます。

11. SBIホールディングス株の投資リスクと注意点

11.1 SBIホールディングス株価は値動きが激しい(短期で30%変動)

SBIホールディングスに投資する上で、最も注意すべき点は、値動きが激しいということです。
SBIは、そもそも大きく動く銘柄です。近年のデータを見ても、当時の最高値から最安値まで約30%ほど下落する傾向があります。しかも、短期で下落することが多いです。

2018年から2020年にかけては、3,600円台から1,200円台まで、株価は約3分の1にもなっています。
このような大きな変動に耐えられるかどうか、投資する前によく考える必要があります。

11.2 SBIホールディングスの財務レバレッジの高さがやばい?

SBIホールディングスは、財務レバレッジが高まっています。業績は伸びているのに、自己資本があまり増えておらず、総資産は5兆円以上も増加しているからです。
レバレッジが高いということは、うまくいけば利益は大きくなりますが、失敗すれば損失も大きくなるということです。
金融機関である以上、預金などで他人資本が多くなることは自然なことですが、数値上は財務状況が悪化していると見ることもできます。
この点については、今後の財務数値を注視していく必要があります。

11.3 SBIホールディングスは機関投資家比率が高く需給に影響されやすい

SBIホールディングスの株主構成を見ると、国内外の機関投資家が58.1%を占めています。
機関投資家の保有比率が高いということは、彼らの売買が株価に大きな影響を与えるということです。機関投資家が一斉に売りに出れば、株価は急落します。
今回の暴落も、機関投資家の売りが要因の一つだった可能性があります。
個人投資家としては、このような需給要因による急落にも冷静に対応できるよう、心構えをしておく必要があります。

11.4 SBIホールディングスのプライベートエクイティのリスク

SBIホールディングスは、プライベートエクイティ(未上場企業への投資)の残高が過去最高になっています。
プライベートエクイティ投資は、ハイリスク・ハイリターンです。投資先企業が成功すれば大きな利益を得られますが、失敗すれば大きな損失を抱えることになります。
しかも、エグジットが減少しており、投資効率が悪化しているとのことです。経済環境が悪化すれば、一気に含み損が拡大するリスクがあります。
過去にも、ベトナムのTPバンクへの投資で354億円もの評価損を計上したことがありました。このようなリスクがあることは、理解しておく必要があります。

11.5 SBIホールディングス株価は株式市場全体の影響を受けやすい

SBIホールディングスは金融株ですから、株式市場全体の影響を強く受けます。
株式市場が好調な時は、証券会社の業績も伸びます。取引量が増え、手数料収入が増えるからです。
しかし、株式市場が不調な時は、業績も悪化します。取引量が減り、手数料収入も減るからです。
ですから、日経平均やアメリカの株式市場の動向には、常に注意を払っておく必要があります。市場全体が暴落すれば、SBIホールディングスの株価も大きく下がる可能性があります。

12. まとめ:SBIホールディングスは長期投資に最適な銘柄

12.1 SBIホールディングスの暴落は一時的な需給要因の可能性大

今回の10%暴落について、様々な要因を検証してきました。統合報告書の内容、プライベートエクイティのリスク、機関投資家の売り、成長鈍化の懸念、そして政治リスク。これらが複合的に重なった結果だと考えられます。
しかし、ファンダメンタルズに問題があるわけではありません。業績は絶好調で、配当も増え続けています。
ですから、今回の暴落は、需給の偏りによる一時的な調整である可能性が高いと私は見ています。
出来高もそこまで多くなく、窓開けギャップダウンもしていません。ものすごく悲観するような下がり方ではないのです。

12.2 SBIホールディングスは業績好調・累進配当・成長性の三拍子

SBIホールディングスは、業績好調・累進配当・成長性の三拍子が揃った銘柄です。
業績は第1四半期で過去最高を記録し、今後も投資市場の拡大によって成長が期待できます。
配当も累進配当を続けており、今年も増配が期待されます。
そして、証券口座保有率が37%ということは、まだまだ成長の余地があるということです。
このような銘柄は、そう多くはありません。

12.3 SBIホールディングス株はボラティリティ覚悟で長期保有が吉

ただし、SBIホールディングスの株価は、ボラティリティが高いです。短期で30%下落することもありますし、逆に大きく上昇することもあります。
ちょっと値動きが激しくて、直近では訳のわからない陰線を引いていますが、元々安値で持っている方は、一部利確を除いては、粘り強くホールドし、新規で買う方は、ボラティリティの大きさ上等で投資するスタンスで行きましょう。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期で保有し続けることが重要です。

12.4 SBIホールディングス株投資はこんな人におすすめ
SBIホールディングスへの投資は、以下のような方におすすめです。
まず、高配当株に投資したい人です。SBIホールディングスは累進配当を続けており、今後も増配が期待できます。配当利回り重視の投資をしたい方には最適です。
次に、金融セクターの成長に期待する人です。投資市場が拡大すれば、SBIホールディングスの事業も拡大します。日本の投資文化が根付いていくことに期待する方には、良い投資先となるでしょう。
そして、短期変動に動じない長期投資家です。SBIホールディングスの株価は激しく動きます。短期的な下落に動揺せず、長期で保有し続けられる方でなければ、この銘柄に投資するのは難しいかもしれません。

12.5 SBIホールディングス株への投資を始める前の最終チェックリスト
最後に、SBIホールディングスへの投資を始める前に、確認しておくべきポイントをまとめます。
まず、ボラティリティの高さを理解していますか?という点。
SBIホールディングス株は、短期で30%下落することもあります。それに耐えうる信頼をSBIホールディングスに置くのかどうか、一度確認してください。
次に、長期保有を前提としていますか?という点です。
短期売買で利益を狙うのは難しい銘柄です。長期で保有し続けることを前提に投資しましょう。
そして、分散投資をしていますか?という点も大切。
いくら魅力的な銘柄でも、資産の全てを一つの銘柄に集中させるのはリスクが高すぎます。他の銘柄や資産にも分散しておきましょう。
これらのポイントをクリアにしている方であれば、SBIホールディングスへの投資を検討する価値は十分にあると思います。
今回の暴落は、長期投資家にとっては買い増しのチャンスになるかもしれません。私自身も、5,400円程度まで下がってきたら買い増しを検討していますし、最悪3,000円台まで下がっても、本格的な買い増しのチャンスだと考えています。
皆が買いたくない時にこそ、チャンスがあるのです。
この記事が、皆さんの投資判断の参考になれば幸いです。投資の判断を全ての人に。Trade Laboの児玉一希でした。
株式会社RES代表取締役/Youtube Trade Labo配信者 児玉一希 プロフィール
東京都立大学(旧・首都大学東京)卒業後、2014年に新卒でリクルートグループへ入社。営業職としてキャリアをスタートするも、当初は思うような成果を上げることができず、2年後に転職を決意。
2016年、金融教育を手がける企業に転職し、投資家の講演運営に携わる中で、株式投資をはじめとする各種投資について学ぶ機会を得る。
その過程で、投資と教育の分野に対する関心が高まり、自らも教育事業に携わるようになる。これまでに直接指導を行った受講者は累計2万人を超える。
2020年には、株式会社RESの代表に就任し、お金や投資を学ぶための学校(現:「マネバ」)を創設。
さらに、2022年にはYouTubeチャンネル「Trade Labo」を開設し、株式市場や個別株の分析に関する情報発信を開始。投資に関心を持つきっかけとなる場を提供している。
